膝蓋上嚢
・膝の前面に痛みが生じる
・膝の曲げ伸ばしやスクワット動作で痛みがある
・押して痛みがある
・高齢者に痛みがでやすい
・術後の拘縮が多い
膝蓋上嚢に問題があるケースは高齢者に多く、階段の上り下りや
スクワット動作、椅子の立ち上がりの動きなどで痛みを誘発しやすいです。
また膝蓋上嚢の周りの組織との滑走が悪くなると、起床時などの
動き始めの痛みが多いです。
拘縮が進むと重度の膝の可動域制限を生じ、正座が出来ないなどの
日常生活にも支障が出ることもあります。
病態
・周囲の筋肉や脂肪組織と拘縮し動きが悪くなる
・膝蓋上嚢自体の滑走が悪くなる
大腿骨と大腿四頭筋の間に位置するのがこの膝蓋上嚢で
周りには脂肪組織もあります。
この膝蓋上嚢が膝の曲げ伸ばしの際に戦車のキャタピラの様な
動きをしており、膝関節の円滑な運動に寄与しています。
しかし術後などで周りの軟部組織との拘縮が発生したり
膝蓋上嚢自体の拘縮が起こると膝関節の可動域を大きく制限する
因子となります。
膝蓋上嚢が癒着をすると運動療法での改善は難しいとされており
より早期からの癒着予防が必要になってきます。
原因
・大腿前面の組織の硬さ
・膝の水腫が引いた後に動きが悪くなる
・猫背
・骨盤後傾位
・骨盤前方偏位
大腿部前面に負担のかかる動きをしていると、、
①大腿四頭筋の緊張が生まれる→②大腿四頭筋の深層にある膝蓋上嚢が筋肉に
圧縮されて動きが悪くなる→③膝蓋上嚢だけでなくその周辺組織との滑走性も低下して膝の曲げ伸ばしで痛みが生じる
上記の様なストーリーが出来上がる
また例えば変形性膝関節症などで膝の屈曲拘縮(膝が伸びない)がある場合でも
歩行時において荷重を加える度、大腿四頭筋に過剰に負担が加わりますので
上記の様な状態になり得ます。
治療
・不良姿勢改善
・膝蓋上嚢拘縮改善
・膝蓋上嚢周辺組織拘縮改善
・上下の関節の調整(足関節・股関節)
<病院での処置>
中高年の場合変形性膝関節症と診断されて痛み止めと湿布と処方される事が多いですが
それでは膝蓋上嚢の拘縮は取れません。
また関節水腫が溜まっているケースでは水腫を抜く為の
注射を行います。
<ジール整骨院>
関節水腫を伴っているような炎症反応を有していなければ
膝蓋上嚢やその周辺組織の拘縮を改善するための
徒手療法・運動療法を実施します。
また膝の前側に負担の加わる運動戦略を用いている可能性があるので
スクワット動作などの運動指導も行っていき、膝蓋上嚢に加わる
ストレスを減弱していきます。