症状
上肢や肩の運動や感覚に関わっている神経・血管が障害を受け、肩、腕、手の痺れや痛み、手の動かしにくさなどを自覚するようになる状態です。
肩コリの症状を有する方に多い印象があります。
突然というよりは、徐々に症状が強くなる事が多い印象です。
また姿勢によって症状が変動することがあります。
例えば、腕を上げ続けたり、逆に腕を垂らしていたりなど。
また頸部の角度によって症状の変動があるのが特徴です。
治療をせずに放置をしていると、症状が長期化したり、増悪したりした場合には、頭痛や吐き気などその他の症状を伴うこともある。
腕や手の
・痛み
・シビレ
・だるさ
・肩こり
・握力低下
など
原因は様々ですが、日常生活での誘因要素としては
手を高く上げて行う動作を繰り返し行う事(例えば吊り革や洗濯物干し,シャンプーなど)
手を高く挙げて行うスポーツをする事(野球,バスケット,バトミントン,テニスなど)
また不良姿勢も関係があります。
例えば肩甲骨周囲筋の弱化によって「なで肩」になってしまう場合、頸部の筋肉や腕神経叢は遠位に牽引されてしまう為、本症状を誘発しやすい要素となります。
病態
大きくわけて3つあります。
①斜角筋三角
「鎖骨・前斜角筋・中斜角筋」から構成されるトンネルで神経が圧縮されます。このケースでは斜角筋三角を触れたり、頸部を回旋すると症状が痛み・痺れ症状が出ます。
②肋鎖間
「上が鎖骨・下が第一肋骨」のトンネルで神経が圧縮されます。このケースでは上肢を後に回すと痛み・痺れ症状が出ます。
③過外転症候群
「小胸筋」の下を神経が通過しますが、その部位で神経が圧縮されます。
このケースでは「つり革を持つ」等の上肢を挙上させる動きを長時間続けていると症状が誘発されます。
治療方法
【病院での処置】
保存療法がメインとなります。
レントゲンなどの画像での評価をします。
また痛み止めや湿布の処方。また牽引療法などを行うことが多いです。
【ジール整骨院】
まず痺れている範囲を聴取し、前述した3つのトンネルの中でどこで障害をされているか?これを徒手検査によって明確にしていきます。
闇雲に触っても胸郭出口症候群の改善は見られません。
また神経に対するストレスは大きく分けて2つあり
1つが「牽引型」
この場合では肩甲骨周囲筋の弱化などが要因となり「なで肩」であることが多いです。
なで肩になると鎖骨が下がってくるような姿勢になり、これが間接的に神経を伸長させます。
すなわちこのタイプでは鎖骨を上げる事が治療となります。
もう一つが「圧迫型」です。
これは筋緊張の亢進によって筋肉で構成される神経の通り道が狭くなってしまい、症状を有します。
このケースでは対象となる筋群のストレッチングなどをして筋緊張を減弱させることが治療となります。