症状
・歩行時痛
・圧痛
・膝の曲げ伸ばしで痛み
・階段で痛み
・膝の前側の痛み
若年層から高齢の方まで痛みが出やすい組織ではありますが、主には高齢者に好発します。
場所は膝蓋骨の下周辺に痛みを訴えることが多く、患者さんが「ここが痛いです!!」と指一本でさせる事が多いです。
痛みの出やすい動きとしては
『階段降段時に少し膝を曲げた瞬間』や『膝を完全に伸ばした瞬間』などに多い印象です。
病態
『膝蓋下脂肪体』は膝関節の深層、膝蓋骨の周辺に存在する、いわばクッション材の様な役割を担っている組織です。
この膝蓋下脂肪体が繰り返されるストレスによって、炎症反応を繰り返し、硬さが生まれます。
本来膝蓋下脂肪体は非常に柔軟性に富む組織で、関節内の狭いスペースを移動している組織です。
すなわち硬さが生まれますと、狭いスペース間を移動する事が困難になり、組織が潰されたり、引っかかったりして痛みが出てきます。
原因
主要な問題点は2つあります。
1つは『膝関節の捻れ』です。
捻れてくると脂肪組織の入っているスペースが狭小化されて圧縮ストレスを受けてしまいます。
2つ目は『膝関節のサギング』です。
これは大腿骨に対して下腿骨が後方に偏位してしまう現象です。
後十字靭帯損傷やハムストリングスの硬さがあっても生じます。
これも同様に脂肪組織の入っているスペースが狭小化する要因となります。
いづれも『膝関節の位置不良』であることが分かります。
これらが起こる要因としては
・若い女性のO脚
・高齢者の変形性膝関節症
などが誘引となり関節の位置不良を引き起こします。
治療
【病院での処置】
レントゲンなどの画像診断を用いて評価をします。
ただ膝蓋下脂肪体は骨ではないので、レントゲンでは抽出されません。
高齢者であれば軟骨の摩耗具合で「変形性膝関節症」と診断されることが多く、薬物療法やリハビリが処方されます。
【ジール整骨院】
超音波画像診断装置(エコー)によって膝蓋下脂肪体の状態を評価します。
同部位に硬さがある場合は白濃く抽出されます。
脂肪組織の特徴として直接動かせば柔軟性が出てきます。
柔軟性を出した後に前述した関節の位置不良を徒手療法やエクササイズによって整えていきます。
このアプローチによって脂肪組織が入っているスペースを広げていき、圧縮ストレスを減弱していきます。
このプロセスがなければ脂肪組織はすぐに硬さがぶり返して、痛みが再発するという現象が起きます。