鵞足炎
鵞足炎の症状と治療
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鵞足炎の症状
鵞足部とは、膝関節の内側のことです。
膝関節から5センチ程度下の脛骨(すねの骨)の内側に痛みが生じます。
鵞足(がそく)とは、3つの筋肉の腱(縫工筋・薄筋・半腱様筋)が骨に付着する場所です。
付着部の外見がガチョウ(鵞鳥)の足に似ているという理由で鵞足という名前がつけられています。
スポーツで走ることがある方は、接地時に鵞足部につんと来るような痛みを自覚することが多いですが、膝の屈伸時に引っかかるような違和感も出ることがあります。
初期は動かし始めに違和感があっても、ウォーミングアップされて温まると楽になり、繰り返しの動作でまた徐々に違和感が出てきます。
症状が進行すると、温まっても違和感が消えず、練習の後半に痛みになって練習を中断するようになり、さらに進行すると、ウォーミングアップ後も痛みや引っ掛かりがなくならず、練習ができないという状態になります。
鵞足炎の種類は大きく2つあります。
1つ目は「鵞足滑液包炎」と呼ばれています。
鵞足を構成する3つの筋群が脛骨にくっついている場所で摩擦を減らす働きをしているのが、「鵞足滑液包」です。
3つの筋群が硬くなってしまうと、鵞足滑液包との摩擦による負荷が強くなってしまい、炎症反応が起きます。
この症例では膝関節の内側から大体5cm程下あたりの鵞足部に痛みが出現します。
2つ目は、鵞足を構成する3つの腱が硬くなり、脛骨の内側で筋との摩擦が生じ痛みが出るものです。
この症例では膝関節の内側に痛みが出てきます。
鵞足炎のチェックリスト
- 膝内側あたりの痛み
- 膝内側あたりのつっぱり感
- 膝内側の腫れ
- 膝内側の熱感
- 膝の曲げ伸ばしで痛い
- スポーツ後の膝内側の痛み
- 圧痛(押すと痛み)がある
鵞足炎の原因
鵞足炎の原因としては大きく以下の3つがあります。
①膝関節の骨の配列不良(ねじれが生じている)
②股関節、足関節の可動域低下
③Knee in toe out(ニーイン トゥーアウト)=つま先に対して膝が内側に入る動き
このように鵞足炎の原因は様々ですが、特に問題として大きいのは、
「膝関節の骨配列不良」があります。
大腿骨(太ももの骨)に対して脛骨(すねの骨)が外に捻れてしまうと、鵞足を構成する筋肉に伸張ストレス(伸ばされすぎてしまう)が過剰に加わり、これが「滑液包の炎症」や「腱の摩擦障害」につながります。
ランニング、日常生活での歩行などでこのKnee in toe outになっていると、膝のねじれが助長されてしまいます。
まとめ
鵞足炎は、痛みがいったん消えてもスポーツや負担のかかる運動を再開すると再発を繰り返しやすい疾患です。
再発や長期化を予防するためには、鵞足炎の根本的な原因を明らかにし、そこから改善しなくてはなりません。
動作の癖や脚の姿勢、筋肉の硬さなどをしっかり検査し、正しい動作や姿勢を身に着けることが大切です。
当院では動作分析によって、痛みの原因となる動きのクセなどを見つけ出し、改善することができますので、ぜひご相談ください。
参考:【膝痛のまとめはコチラ】
鵞足炎の治療
①超音波エコー
※超音波エコーは泉田院のみに設置しております。ご希望の方はお問合せください。
超音波エコーでは
・組織の炎症の有無
・筋肉や腱の動き
を確認することができます。
炎症がある場合は局所の積極的な治療を控えたり、アイシングをしたりなど効果的に治療をすすめることができます。
筋肉、腱の動きを確認することで、組織の癒着の有無や、筋肉を使えているかどうかを調べることができます。
治療の前後で状態がどう変化したかが分かりやすくなります。
②超音波+電気治療
ジール整骨院では、物理療法として「超音波治療」と「電気治療」を同時に行えるコンビネーション治療器をご用意しております。
2つのエネルギーを同時にアプローチすることによって、より効果的に効率の良い治療が可能になります。
【超音波治療】
・慢性期
超音波治療器の温熱作用を用いて、関節包、靱帯、筋膜にアプローチします。
局所の血流増大や拘縮緩和の効果があり、機能改善が期待できます。
・急性期
超音波治療の非温熱作用(ミクロマッサージ作用)を用いて、炎症物質の抑制による鎮痛と、細胞の治癒促進の効果があります。
慢性期にも利用できます。
【電気治療】
・ハイボルテージ(高電圧低周波)
組織の深くまで届く電流刺激で、高い鎮痛効果や腫れを抑える効果があります。
・マイクロカレント(微弱電流)
毛細血管の血流を高め、発痛物質を除去します。細胞の代謝を上げ、組織の修復促進の効果があります。
・EMS
電気刺激で筋を動かし、血流改善と筋の柔軟性を回復する効果があります。
筋緊張の緩和をする場合は中程度の強さ、筋力増強をする場合は強出力で通電をおこないます。
③徒手療法
急性期(鵞足部の炎症がおきている時期)では、徒手療法にて局所へのアプローチは治療の妨げになることもありますので、隣接部位へのアプローチ=股関節、足関節、体幹などへのアプローチをメインに行います。
これらの部位へのアプローチで、痛めた鵞足にかかる負担を減らし、治癒を早めたり、痛みを軽減させたりします。
炎症が収まってきたら、鵞足を構成する筋肉である縫工筋・薄筋・半腱様筋の柔軟性を出すために筋マッサージやストレッチを行います。
④テーピング
キネシオロジーテープという、伸縮性のあるテープを使ってテーピングを処方します。
膝まわりの筋肉を保護したり、膝をスムーズに動かしやすくする効果があります。
※皮膚がかぶれやすい方は、スタッフへご相談ください。
かゆみや違和感を感じられた際はすぐにはがしてください。
⑤運動指導
姿勢分析、動作分析により鵞足に加わっているストレスを調べます。
走る動作を改善しなければ、鵞足炎は再発してしまいます。
走るフォームの改善が重要です。
ジール整骨院では、やり方を忘れず、実践しやすいという考えから、ストレッチやエクササイズのやり方を患者さまのスマホで撮影していただくことを推奨しております。
やってみたいストレッチやエクササイズがありましたら、お気軽にスタッフまでご相談ください。