四十肩・五十肩
四十肩・五十肩の症状と治療
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四十肩・五十肩の症状
四十肩・五十肩の特徴は、肩の痛み+【動かしにくさ(可動域制限)】です。
患者さまから多い訴えは、片方の肩に症状がある、腰に手がまわせない、服の脱ぎ着がしづらい、首や腕も痛むなどです。
四十肩・五十肩のチェックリスト
◯片方の肩に症状がある
◯服の脱ぎ着がしづらい
◯腕が耳につくまであがらない
◯腰に手が回せない
◯シャンプーをするとき肩が痛む
◯肩が痛くて洗濯物を干しづらい
◯肩の痛みで痛い方を下にして寝られない
◯何もしなくても肩が痛い
◯肩の痛みで寝返りがうてない
◯首や腕も痛む
四十肩・五十肩の原因
四十肩・五十肩は「肩関節周囲炎」とも呼ばれます。
四十肩・五十肩の特徴は肩を動かした時に痛みがあることです。特に後ろに手を回す動作で、痛みと可動域制限があります。
重症化した四十肩・五十肩は夜寝られないくらい肩がズキズキと痛むこともあります。
『肩関節周囲炎』とは?
肩の痛みの『総称』です。
本来は「腱板損傷」、「腋下神経障害」、「上腕二頭筋長頭腱炎」、「肩峰下インピンジメント症候群」など、細かい症状に分類されます。
症状によっては慢性期でも痛みが続く場合もありますが、その際は急性期と同じ扱いで治療を行います。
姿勢の悪さ(猫背)、仕事で肩を動かさない、いつも重いものを持っているなど肩関節に日常的に影響があるのが原因と言われています。
痛む場所は肩関節の前や後ろが多く、症状によっては肩関節から腕にかけて痛みが出る四十肩・五十肩もあります。
また別の原因として頸椎からの影響で肩関節に痛みが出ることもあります。
頚椎椎間関節の影響は四十肩・五十肩と間違えられやすく、上の図に記載されている部位が痛い場合は頸椎由来のことが多くあります。
まとめ
四十肩・五十肩の患者さまによくお聞きするのが、「初めは少しの痛みだったので日にち薬で治るかなと思っていたが、だんだん悪くなり、動きまで悪くなってきてしまった」というご意見です。
原因や治療で説明したように、肩の痛みや動きの悪さは放っておくと進行し、可動域は一度悪くなると治療に長い時間がかかってしまうことも多いです。
いつもできていた動き(日常生活、スポーツ)で肩に違和感を感じた場合はお気軽にご相談いただき、早めに治療をしましょう!
参考:【肩痛のまとめはコチラ】
四十肩・五十肩の治療
1.急性期・慢性期に合わせた肩関節への物理療法
まずは肩局所への施術を行います。
ジール整骨院では、物理療法として「超音波治療」と「電気治療」を同時に行えるコンビネーション治療器をご用意しております。
2つのエネルギーを同時にアプローチすることによって、より効果的に効率の良い治療が可能になります。
特に急性期では痛みが強いため、はじめはコンビネーション治療を行いある程度炎症がおさまってから積極的な治療をすることが多いです。
【超音波治療】
・慢性期
超音波治療器の温熱作用を用いて、関節包、靱帯、筋膜にアプローチします。
局所の血流増大や拘縮緩和の効果があり、機能改善が期待できます。
・急性期
超音波治療の非温熱作用(ミクロマッサージ作用)を用いて、炎症物質の抑制による鎮痛と、細胞の治癒促進の効果があります。
慢性期にも利用できます。
【電気治療】
・ハイボルテージ(高電圧低周波)
組織の深くまで届く電流刺激で、高い鎮痛効果や腫れを抑える効果があります。
・マイクロカレント(微弱電流)
毛細血管の血流を高め、発痛物質を除去します。細胞の代謝を上げ、組織の修復促進の効果があります。
・EMS
電気刺激で筋を動かし、血流改善と筋の柔軟性を回復する効果があります。
筋緊張の緩和をする場合は中程度の強さ、筋力増強をする場合は強出力で通電をおこないます。
当院の超音波・電気治療器具について詳しくはこちらから
2.腱板損傷の治療
四十肩・五十肩の中には重いものを持った時や肩を無理に動かした時に、肩関節の周囲にある筋肉が損傷、断裂をすることがあります。これが腱板損傷(腱板断裂)です。
微細損傷、部分断裂の場合は整骨院にて治療可能ですが、完全断裂の場合は整形外科で手術の適応になることもあるので注意が必要です。
腱板断裂の場合は整形外科を紹介させていただきますので、腱板断裂かどうかの検査を行います。「ドロップアームテスト」という検査です。
腕を水平の位置で止めておくことができないと検査陽性となり、腱板断裂が疑われます。
3.腋下神経障害
四十肩・五十肩の中には肩から腕にかけての痛みを訴える方もいらっしゃいます。
その多くは【腋窩神経障害】であり、脇の下の神経(腋窩神経)が圧迫されて起こる症状です。後ろに手を回す動きで痛む、夜寝られないなどの症状がある方に多い障害です。
腋窩神経障害の原因となっている筋肉は主に「大円筋」「上腕三頭筋長頭腱」「小円筋」なので、これらの筋の柔軟性を高めるために筋マッサージや超音波治療器を行います。
4.上腕二頭筋長頭腱炎
上腕二頭筋長頭は上腕骨(腕の骨)の結節間溝と横上腕靭帯からなるトンネルを通ります。
野球の投球動作、テニスのサーブ、バレーのアタックなどオーバーハンドスポーツをされるアスリート、トレーニングのお好きな方、重労働をされる方に多く見られます。
上腕二頭筋は腕を上げたり肘を曲げたりするときにつかいます。その際にかかる、腱とトンネルでの摩擦により、炎症を引き起こします。
腕を上げようとしたり荷物を持ち上げようと力を入れた際に痛みが出たりします。
病態が進行すると、慢性化したり腱の断裂を引き起こすことがあるので、注意が必要です。
局所に対しては1で説明した超音波と電気のコンビネーション治療を行います。
加えて上腕二頭筋の筋緊張をゆるめることが重要なので、上腕二頭筋の筋マッサージやストレッチを行います。
再発予防のため、動作改善(肩にかかる負担が少ない動きをする)も行います。
5.肩峰下インピンジメント症候群
肩を上げていくと、ある角度で痛みや引っかかりを感じ、それ以上肩を上げられなくなる症状の総称です。
悪化するとこわばりや筋力低下なども伴い、夜間痛を訴えることもあります。
肩上げるとき、上げた位置から下ろすとき、ほぼ60-120°の間で特に強い痛みを感じることがあり、有痛弧徴候(ペインフルアーク)といわれます。
肩峰(肩甲骨の一部)がもともと下方に突出している場合や、加齢変化として肩峰下に骨棘ができた場合、投球動作など腕をよく使うスポーツ選手にも発症します。
肩を上げるとき、上腕骨(腕の骨)と肩峰(肩甲骨の一部)の間に、腱板の一部や肩峰下滑液包などが挟み込まれ、繰り返して刺激が加わると滑液包に浮腫や出血が起こります。
動作の繰り返しによって症状が悪化し慢性化することが多いです。
※Point※
肩峰下インピンジメント症候群の患者さまでは、肩のインナーマッスルとアウターマッスルのアンバランスにより肩甲上腕関節のバランスが崩れる事により衝突を誘発させてしまっていることが多いように感じます。
また、インピンジメント症候群は肩局所へのアプローチだけでは改善せず、肩甲胸郭関節・体幹・股関節の機能障害についても治療を行っていかないと改善しないケースが多くみられます。
ジール整骨院では、肩局所だけでなく体幹、肘関節、手関節の動きについてもチェックを行います。
炎症があり痛みが強い場合は1で説明した超音波と電気を組み合わせたコンビネーション治療にて炎症を抑える治療を行います。
手技療法にて肩周りの筋肉をはじめ、特に影響している筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋など)を緩めたり、入力(正常に機能するようにすること)したりして、局所にかかるストレスを減らす治療を行います。
6.保護・固定
1~5それぞれの治療に加え、テーピングを用いて筋肉や関節の保護を行います。
キネシオロジーテープという伸縮性のあるテープを使用します。
※皮膚がかぶれやすい方は、スタッフへご相談ください。
かゆみや違和感を感じられた際はすぐにはがしてください。